中田悟が何度も通い、最も愛した島が屋久島です。いつかは一緒に行きましょうと言いつつ数年がたち、ついに昨年の秋、中田さんは還らぬ人となりました。CD屋久島、　stream や　ナチュラルハーモニックの音源収録地でもあるこの島に、なんとしてでも行きたいという思いがつのっていました。

元々水中写真を撮っていた私にとって、ハワイや宮古島、石垣島の波音は身近に感じていました。しかし、せせらぎの音、鳥の声は全く未知の世界。彼の作品で初めて聴くようになり、海や波の音とあわせてその気持ちよさに惹かれていきました。そんな山系自然音初心者が屋久島を訪れ、中田さんの音の故郷を歩いてきました。屋久島に行ってみたいと思っている方々、中田さんのCD　屋久島　や　ストリームで屋久島の美しい音に魅了されている方々に読んで頂ければと思います。

【屋久島とは】
鹿児島県熊毛郡屋久島町　平成五年に日本で初めて世界自然遺産に登録された。
九州最南端、鹿児島から南に約70キロ、周囲132キロのまるい島。車で一周すると約3時間。

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【屋久島へのアクセス】
鹿児島から高速船で約2時間。行きはロケット、帰りはトッピーに乗りました。両船とも安定していてとても快適でした。しかし、時速約80キロで航行するため、普通の船のように甲板からのんびり海を眺めたり、鹿児島の海岸線を見物したりはできません。常時着席シートベルト着用です。ちなみに、鹿児島空港から鹿児島港までバスで約1時間、バス停から船の発着所まで徒歩10分。なんだかアクセスが今ひとつ。しかし港での待ち時間が多い方は、すぐそばのいおワールドかごしま水族館、ドルフィンポートの篤姫館（NHK大河ドラマ　篤姫→1835年　鹿児島生まれ）などを見学されてはいかがでしょう。目の前にそびえる桜島をながめつつ、南国白くまアイスを食べるのもおすすめです。　ちなみに私は水族館でジンベエザメやアマダイを見物してきました。　鹿児島空港から屋久島への飛行機便、高速船より時間のかかるフェリーもあります。
屋久島観光協会

【屋久島が登場する作品】
◎『もののけ姫』　1997年日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞。宮崎駿アニメの代表作。シシ神の森は白谷雲水峡がモデルと言われているそうです。雲水峡の最深部には『もののけ姫の森』と名付けられたコケの森があります。スタジオジブリの日誌に95年5月屋久島ロケハンの話がありました。　
◎『十五才　学校4』　山田洋次監督作品。トロッコ道を通り、縄文杉登山をする場面が出てきます。海岸べりの温泉や屋久杉ランドも。
今回の旅行前には紹介した映画二本を借りてみました。もののけ姫の深遠なテーマ、学校の登山場面など参考になります。

その他、月光浴・石川賢治さんの『月光の屋久島』写真集、楽園・三好和義さんの『世界遺産・屋久島』写真集、中野裕之さんDVD『水 water 屋久島』など。 豊富な雨と南国の風、海流、急峻な山。冬には雪が降り、海には熱帯の魚という、様々な気候と風土が凝縮された珍しい島。 林芙美子の『浮雲』でも雨の多い屋久島が紹介されています。

永田〜宮之浦〜白谷雲水峡
永田の宿からレンタカーで雲水峡へ。宮之浦から一気に山道に入っていきます。屋久島でも特に雨量の豊富のこの地域は、清流がたくさんあり、とても心地よい水音に包まれている世界です。水音に鳥の声が重なり、思わず「あぁ中田さんの世界だ」と、声を出してしまいました。

飛流落とし		七本杉

楠川歩道の清流	楠川歩道の清流

もののけ姫の森

屋久猿　ヤクザル　屋久鹿　ヤクシカ　の遭遇

繊細で美しいヤクシカ　原生林を自由に駆けめぐる

車を止めてすぐ。簡単に見に行ける樹齢3000年の屋久杉です。ただし車での山道は結構長いです。安房から屋久杉ランドに向けて進み、そのもっともっと先。涼しくなってきた夕方、紀元杉の前でたたずみ、木と対話しているような方もいらっしゃいました。

紀元杉　樹齢は3000年！標高1230m

AM03;50起床　4;14永田発 宮之浦、安房経由　5;30荒川登山口着　5:50登山開始 17;50荒川登山口戻り。
樹齢7200年とも言われる最大の杉　縄文杉を目指して一日がかりの山歩きです。全行程実に12時間。

荒川の脇、トロッコ道をひたすら歩きます。足下の杉板が見事！　この日は全く雨に降られなかったため、滑ることもなく快適でした。

マイナスイオンたっぷりの美味しい空気です。　時々ヤクシカが顔を出します。

ウィルソン株前の人々。この日は梅雨前日曜、天気も良く絶好の登山日和でした。

スギゴケアップ		ウィルソン株の中から　ハート型に見える

縄文杉

色々な屋久杉（樹齢1000年以上の杉を屋久杉と呼ぶ）、きれいな水辺、人も少なくておすすめです。ルートも豊富なので、時間や体力にあわせて行動できます。

蛇紋杉 　台風で倒れた杉の根っこ部分です。

島の西側に車で移動。世界自然遺産地域を車で走る西部林道。そして滝壺まで近付くことのできる大川の滝。落差80メートルの滝は、水量によって二本に分かれます。とにかく滝壺近辺の岩場がとても気持ちよいです。

日本の滝100選　「おおかわ」ではなく「おおこ」と読みます。 　西部林道に世界遺産登録地の看板がありました。

立神岩